ある人が亡くなった後、その人の不動産の登記の変更まで考えが及ぶ人はこれまで多くは無かったと思います。以前は登記の名義変更は義務ではありませんでした。
しかし、相続登記義務化により、今後は長年にわたり不動産の名義変更(相続登記)がされていない場合、「長期間相続登記がされていないことの通知」という書面が法務局から送付されることがあります。
この通知は、 長期間放置されている不動産について登記手続きを促すため に送られる公的な書面です。
これを受け取った場合の対応について、以下を参照ください。
大阪法務局|「長期間相続登記がされていないことの通知(お知らせ)」サンプル
通知が届いた理由を理解する
- この通知は、登記名義人(元の所有者)が亡くなっているにもかかわらず、不動産の名義変更(相続登記)がされておらず、あなたが法定相続人であると法務局が確認した場合に送付されます。
- 通知には、「不動産の所在地」や「法定相続人情報の管理番号」が記載されています。
- 「法定相続人情報」とは、長期相続登記等未了土地解消作業の一環として法務局が戸籍謄本を取得する等を行って調査により判明した相続関係を一覧図として記載した書類です。
土地の所有者の法定相続人を家系図のような図に表したものです。この書類で他の相続人は誰かを知ることができます。
なお、『法定相続情報一覧図』とは異なる制度ですので、注意が必要です。『法定相続情報一覧図』は、亡くなった方(被相続人)と相続人の関係を図で示したもので、法務局が発行する公的な証明書です。相続手続きを簡略化するために利用される書面です。
相続登記の必要性を判断する
通知を確認し、自分が相続人であり、まだ相続登記をしていない場合は、登記手続きを進める必要があります。相続登記をしないと、次のような問題が生じる可能性があります。
❌ 売却や活用ができない
❌ 放置すると罰則(10万円以下の過料)の可能性
❌ 相続人が増え、手続きが複雑化する
相続登記を進めることで、こうしたリスクを回避できます。
するべきこと
STEP
最寄りの法務局へ通知書を持って訪問(または郵送で依頼する)
- 物件を特定する
- 「法定相続人情報」の閲覧申請をし、他の相続人を確認する
- 取得申請には、通知記載の作成番号を記載して依頼します。
STEP
相続人で遺産分割協議
- 相続人全員で、不動産を誰が相続するか話し合い(遺産分割協議)をします。
- 協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し全員が署名・実印押印(印鑑証明書も必要)します。
注意点・よくある質問
- 相続登記義務化:2024年4月1日より、相続開始から3年以内の相続登記申請が義務化され、違反すると10万円以下の過料対象です(過去の相続も対象)。
- 放置すると…:通知自体を無視しても即座に罰則はありませんが、相続登記を放置し続けると将来の過料や、相続人の増加による権利関係の複雑化で手続きが困難になります。
- 相続放棄も可能:必要であれば、相続放棄の検討も出来ます。
司法書士 東海林 美夢|Mimu Shoji…


相続 相続放棄 – 司法書士 東海林 美夢|Mimu Shoji|大阪
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