
買戻特約とは、不動産の売買契約時に「一定期間内であれば売主が買主に代金を返して不動産を買い戻せる」という特約です。
日本住宅公団と住宅供給公社などが転売防止のために住宅ローン設定の際に一緒に設定された場合が多いです。
単独抹消できる場合
- 売買契約日から10年が経過している場合、2023年4月1日以降の法改正により、所有者(登記権利者)が単独で買戻特約の抹消登記を申請できるようになりました。
- 10年未満の場合は、従来通り買戻権者と共同で申請が必要です。
抹消申請時の添付書類(10年経過していない場合)
必要書類 | 内容・備考 |
---|---|
登記識別情報(権利証) | 買戻権者のもの |
印鑑証明書 | 買戻権者のもの |
登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 |
登記原因証明情報 | 必要 |
委任状 | 司法書士に委任した場合、必要 |
単独抹消申請時の添付書類(10年経過の場合)
必要書類 | 内容・備考 |
---|---|
登記識別情報(権利証) | 不要 |
印鑑証明書 | 不要 |
登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 |
登記原因証明情報 | 不要 |
委任状 | 司法書士に委任した場合、必要 |
買戻特約を抹消しないデメリット
- 不動産の売却や担保設定が難しくなる
買戻特約が登記簿に残っていると、効力が切れていても第三者(買主や金融機関)から「権利関係が複雑」と見なされ、売却や抵当権設定ができない・しづらい場合があります。 - 不動産の価値が下がる可能性
買戻特約付きの不動産は、買主が見つかりにくく、売却価格も下がる傾向があります。 - 将来の相続や手続きで手間が増える
登記簿に不要な権利が残っていると、将来の相続や名義変更時に再度抹消手続きが必要となり、手間や費用がかかります。
まとめ
- 10年以上経過していれば、所有者単独で抹消申請が可能です。
- 添付書類は簡素化され、買戻権者の書類は不要です。
- 抹消しないと不動産の流通や活用に支障が出るため、相続登記と同時に抹消するのが望ましいです。
費用
スクロールできます
司法書士報酬 | 登録免許税(印紙代) | 実費等 | |
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買戻特約の抹消 | 16,500円~/1申請 | 不動産1個につき千円 | 郵券・必要書類収集・交通費等 |
買戻特約の抹消 (10年以上経過) | 11,000円~/1申請 | 不動産1個につき千円 | 郵券・必要書類収集・交通費等 |