相続登記の費用感


「司法書士に依頼した場合、相続登記の費用はどのくらいになるか?」

というお問い合わせをよく受けます。
だいたいどの位かかるかというのを知りたいというお気持ちは理解できるのですが、相続案件は案件毎に内容が異なり、固定資産評価額も様々の為大雑把な数字を出すのも難しい面があります。

ただ、大雑把なイメージで良ければ、まず費用の構成を把握して、各項目を足し算するとだいたいの費用のイメージが持てるのではないかと思います。

費用の構成と費用感

費用相場備考
①登録免許税固定資産評価額の1000分の4    例.評価額1000万円の不動産=4万円
②司法書士等報酬6万~15万(筆数1~2)事務所により価格が異なる
不動産の筆数、申請件数、難易度によって価格が異なる
③必要書類取得費用  数千円~
相続人が多いと増加(数万円になることもある)
戸籍謄本、除籍謄本、戸籍の附票
住民票、住民票の除票
固定資産評価証明書等
④郵送費・その他実費    数千円~
相続人・不動産が多いと増加
郵送費、登記事前調査費等

③の必要書類を自分で収集すると費用を抑えることができます(下記「戸籍の広域交付」)。
また、司法書士・弁護士に依頼せず、本人申請をすると②の費用は割愛できます。

本人申請は、不動産登記法に則った登記申請書の作成と添付書類の準備(必要書類の収集、相続関係図の作成、遺産分割協議書の作成(必要に応じて))、登録免許税の計算、登録免許税の添付(収入印紙)、法務局とのやり取りを全てご自身で行うことを指します。
なお、登記申請は司法書士・弁護士以外の士業が行う場合は違法です。

登録免許税

登録免許税は国に納める税金で、相続する不動産の固定資産評価額に対して0.4%が課されます。
例えば、評価額が1,000万円であれば、登録免許税は4万円です。なお、土地・建物ごとに評価額があるため、合計金額に基づいて税額が決まります

なお、要件を満たす場合、免税措置が受けられます(以下参照)。

不動産の固定資産評価額は「固定資産評価証明書」や「固定資産課税証明書」で確認することができ、不動産の住所地を管轄する市区町村役場や市税事務所で取得できます。わざわざ取得申請をしなくても、毎年、4月~5月初旬に最新の評価額が通知されます。
また、相続登記を行う際には、市区町村で名寄帳(不動産の所有者ごとに一覧表にまとめたもの)」を取得してで所有する不動産の確認を行うことをおすすめします。固定資産評価証明書だけだと相続登記するべき不動産に漏れが生じる場合がありますので、名寄帳で登記するべき不動産に漏れがないかを確認します。

司法書士報酬

司法書士報酬は、依頼する司法書士事務所によって異なります。一般的には6万~15万円程度(筆数1~2)と幅がありますが、相続関係が複雑な場合や不動産の数が多い場合には、それ以上になることもあります。

当職の相続登記の報酬は3つのプランがありますのでご参照ください

必要書類の取得費用(戸籍謄本、住民票等)

戸籍や住民票などの必要書類の取得費用として、数千円~。但し、収集する書類が多ければ高くなります。市役所に郵送で交付申請を際には、定額小為替・普通為替を同封する必要があり、その費用も含まれます。
戸籍謄本は亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を揃える必要があり、複数の役所に請求することもあります。出生のときの戸籍謄本とは、「出生時に入籍した戸籍謄本を指し、多くは亡くなった方のお父さんが筆頭者の戸籍謄本(亡くなった方が父親の場合、お爺さんの戸籍謄本)になります。

なお、戸籍謄本等は、これまでは本籍地の市町村に交付申請が必要でしたが、相続人であれば最寄りの市町村で取得できる制度「戸籍の広域交付」が開始しています。この制度を利用して収集するとラクですので、利用しましょう。戸籍の附票は従来通り本籍地の市町村に交付申請が必要となります。

郵送費等その他実費(郵送費、登記事前調査費等)

その他、郵送費等として、数千円~がかかります。役所・法務局への郵送代、依頼者への郵送代、登記情報事前調査費など、細かな費用が発生します。

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